夜 亜美のうちに泊まることにしてもらった。
亜美は心よく力になってくれて
私は迎えに来た 龍と最後の時を過ごすことになった。


初めて足を踏み入れた ホテル。


やっと二人っきりになって私は龍と愛し合った。


「一緒に…死にたい…。」龍が言った。

「龍と一緒なら…死ねるよ。」そう答えた。

何度も龍は私の首に手をまわしたけど…
私も覚悟をしたけど 

「姫が一瞬でもいなくなるのはいやだ。」と子供のように泣いた。


あの龍が ずっとずっと泣きっぱなしで…
私は龍の愛を体で心で受け止めた。


「これから先のことは わからないよ。
信じて…運命がきっと導いてくれる。
私たちが本物だったら またきっと………。」


龍は体中に真っ赤なキスマークを残した。
白い肌に赤い模様が花のようで きれいだった。


「俺も信じるよ。俺たちは本物だって……。
次に姫にあう時 堂々と胸を張って会える男になってくる。」


「応援する……。」

「ありがとう 俺を…俺を生きさせてくれて。
姫は…俺の命なんだ。」


「それだけで…その言葉だけで…強くなれるよ。」


涙と汗にまみれて何度も何度も抱きしめ合った。


もしかしたらもう私たちに交わう未来がなくても
この時間 お互いが確かめ合った気持ちは
何より真実だって確信できるから 強くなれる。

他人を自分の命よりも大切に思えるこの
気持ちを二人は絶対に忘れないだろう。