「龍は・・・受け入れたの?」

苦しい顔の龍に追い打ちをかける。

「どうしても受け入れなければいけなくなった。」


胸が押しつぶされそうだった。


「受け入れることが…全ての解決になるように
親父は動いている。」

思わず大きな音でしゃくりあげてしまった。


「姫……。ごめん。
まだすぐに結婚とかするわけではないけど…
葉月と婚約したことは確かなんだ。」


龍の父親の恐ろしさをあらためて知った。


龍の絶望した顔が胸を突く。

苦しんで 悩んで 絶望して 選んだんだ。
そう思うと 可哀そうでたまらなくなった。

私は龍を抱きしめた。

「姫?」


「かわいそうな龍……ヒック……辛かったでしょ。
決断するのヒック…ヒック…苦しまないで…ヒック…。」


私の気持ちはもう決まっている。


龍は信じられる。
そう言える付き合いを私たちはしてきたから。