「あいつ…俺から話すことなのに……。
どこまで卑怯な奴なんだ。その血が俺にも流れてるって
考えるだけで絶望する。
あいつの心の中は 利用することしかない。
そして雁字搦めにして生き血を吸いつくすんだ。」

ゾッとした。


パパ………。
パパは大丈夫なのかしら

急に不安が押し寄せた。

「葉月ってさ ずっと引き込持ってて 病弱で
学校に行けないってこともあるんだけど
あそこの両親はずっと頭を痛めてて 俺が家教で
いくようになって 葉月が変わったことに
心から喜んでくれていたんだ。
じいちゃん同士が同級生ってこともあって
仲良くはしてたみたいだけど……
親父はそこをつついたんだ。
葉月が俺を好きな事を知って 親は生きる喜びを知ってほしいと
俺とのことを親父に相談したんだ。
そしたらあいつはまたそこを利用したんだ。
もっともっとうちの会社に深入りさせることを
条件にさ……。そして……。」


龍は苦い顔付きになった。



「そして?」私は聞いた。


「あ いや・・・・・。ごめん。
俺と葉月を勝手に婚約させた。」


何かを言いかけて龍が言葉をにごしたのが
気になったけど
それどころではなかった。