「親父の勝手で経営状態がよくないらしい。
じいちゃんはそれを修正するために走り回ってたらしい。
息子だからな。仕事ばっかりで
あいつに何もしてやれなかった・・・・。
あんな性格になったのも 親が仕事にかまけて
ほったらかしにしたから
あんな歪んでしまったんだなって……
俺とねえrちゃんに謝るんだ。
申し訳ないってさ……。うちの親父もいろんなもの
抱えてんのかもしれない。」

龍の言ってることよくわかるよ
だから辛い。
わかるから送り出さないとって……。


だけど婚約のことは・・・・。


「姫・・・・・。それから・・・・。」
かすれる声を絞り出して話を続ける。

「葉月・・・家庭教師先の子…。
あの子の家に今回会社助けてもらったんだって。
だからなんとか持ち直したと…
従業員の生活はなんとか守ってあげられたって
じいちゃんすごく喜んでた。
じいちゃんの意志はここまでだった。後は・・・・・。」


「おとうさん?」

驚いた顔で私を見た龍の目に涙がたまって今にも
落ちそうになっていた。


「さっきね 会ったんだ。
あの子と婚約したって・・・・。」


龍の顔が怒りに変わって言った。