「俺はすぐわかったけどな。」

「すみません。あの時私服だったでしょ?
だから全然わかりませんでした。
ところで…黒猫ちゃんは元気なんでしょうか。」

怖くておどおどしてしまう。
だけど黒猫のことはすっごく気になっていた。


「とりあえず ちょっとついて来い。」

「え?そ…それはちょっと……
早く帰りたいんですけど。」

「帰りは送ってくし。携帯もってないのか?
門限とかあんの?」

「門限とか…毎日学校からまっすぐ帰るから。」

学校の人と話すなんて
夢にも思ってなかった。


「じゃあ電話して 友達の家によるって。」

「携帯は…ないん…です……。」

まるで怒らてる子どもみたいに私は心臓のところを
手でおさえてビクついている。

「ほら。」

携帯を差し出した。


「いや あの 私 友達とかいないから。
ちょっとその言い方は……おかしいかと……。」

モゾモゾしてると

「あ~~マジイライラするな!!」


宗方がブチ切れて 私はビックリして
口が曲がってしまった。