こいつは口煩い女だしこいつには心を開けない。
というよりどいつもこいつも今では信用出来ない。
何よりこんな厄介な奴に俺の計画が知られたら一貫の終わりだ。
当然こいつと長時間の会話をする事は望ましくない。
俺は怪しまれないように言葉を慎重に選んだ。
「お前は元気にしてんのか?」
死に対する恐怖で焦り過ぎた。
不味い……話題が変わりすぎた。
俺の言動に奴は違和感を感じたのだろうか。
もしもの事があれば俺が殺さなければならない者が一人増える。
俺は直ぐに次の事を考えた。
だが焦りが俺の思考を邪魔する。
やはりそう簡単に事は進まない。
これはやらかした。
しかも会話を終わらせずに話を展開してしまった。
色々とこれは不味い。
だがこいつの口から返ってきた言葉は意外だった。
「普通かなー?沢田くんは部活やってて元気そうだね!
何の部活やってんの?」
奴の表情に変化はない。
だが俺の行動時間を絞れるような質問をされた。
どうせ調べられるだろうし嘘をついたらそれこそ怪しまれる。
迷っていても勿論それは怪しい。
俺は事実を即答した。
「俺はバスケ部だ。」