彼らと希美様の願いだから…

翠「…彼らは今回希美様を通して知り合いました。話をするうちに弟子に迎える事に決めました。」

秋「迎える?その様なこと誰が…」

白【我が許可した。何か問題が?】

眉を潜めたジジ様にすかさず白棹が切り返す。それは抑揚はないが有無を言わさないものだった。

翠「責任は私が持ちます。」

うーむ、と一つ唸りジジ様は頷く。

秋「良かろう。今は陰陽師の数が少ない。…特に今回は猫の手も借りたいくらいにな。」

含みを持った言葉に翠は眉を潜めた。

秋「すぐに来るのか?」

希「いえ、彼らも学生です。色々手続き致しますので早くても一週間後に。」

頭を下げたまま告げる希美様を一瞥して「そうか」と呟く。

ピルルルル

ホームにベルが鳴り、出発する時刻となった。

周りは慌ただしく列車に乗り降りする乗客が溢れ、ジジ様もくるりと背を向ける。