賢「それでもしばらくは気付かない振りをしていたんだがな…この間、烏山に言い当てられちまったんだよ。だから、もう無理だって思った。自分を誤魔化してたら俺はいつか翠の周りの男達を殺しちまう。だから…ちゃんと言う。
俺はお前が好きだ。」
翠「っ!」
信じられなくて言葉も出なかった。だけど、答えを求めるように腰を抱く手に力が入ってくる。
翠「う、嘘や…勘違いよ。だって、私は…」
スッと人差し指が唇に当てられる。
賢「それ以上は言うな。あの頃は自覚していなかったが、恐らく俺は昔からお前に惚れていた。お前にとって俺はただの優しい兄様か?いや、くたびれたおじさんか。」
自嘲気味に笑い私を抱く腕が緩む。それを引き留めるように彼のYシャツを掴んだ。