翠「ど、どうしてこんな事…」

賢「理由が欲しいか?」

翠「で、出来れば…」

コクコクと頷く。すると腰を掴まれ、そのまま彼の胸の中に引き込まれる。

翠「あ、兄様!?///」

賢「お前は俺にとって、妹みたいな奴だと思っていた。お前が大切だから、あのジジィとの無茶な約束を果たそうとこの15年、躍起になっていた。」

約束?何やそれ…

賢「けど上手くいかないし再会したお前は凄く美人になっていて、お前を狙う悪い虫が4人もいる」

悪い虫?

賢「しかも当の本人は自分の事には鈍いときた。」

クスッと笑われ見上げると、阿部先生と目が合った。

賢「そんなお前を見てると心配でやきもきする自分にスゲー動揺しちまってさ。
最初は『娘を取られる父親の気分か!?』って思った。けど違った。アイツらがお前に触れる度、俺は軽く殺意さえ覚えていた。緋月に至っては骨すら残さず殺してやろうとしてたし。」

翠「なっ!?///」

翠は驚きのあまり言葉が出ない。

つまり、それって…