翠「申し訳ありません。あまりにも唐突なお話な為、驚きました。しかし、お役目はともかく候補とはいえ当主とは…
何故私なのですか?」

?「お前は今回邪神を祓った。その功績を称えるは当然であろう。行くぞ。」

コツコツと翠の脇を通り抜け階段に向かう。

翠「お、お待ちください!まだ、挨拶をしてない方も…」

?「お待ちください!ジジ様!」

ザワッ

よく通る低音ボイス。聞き慣れたその声に凍りついた身体が熱を取り戻す。

目を向けると生徒達を掻き分け、阿部先生が少し怒った顔で近付いてきた。

?「阿部 賢人か。何故ここに?」

賢「それはこちらのセリフです。神木家の当主である貴方がわざわざ出向くなど何をお考えか!」

そう。この老人こそ神木家当主 神木 秋雅様なのだ。