ガヤガヤ
翠「?」
何やら教室の中が騒がしい。
拓「あっ、翠!」
私に気付いた拓海が駆け寄ってくる。
白【一体これは何の騒ぎだ?】
白棹がポワンと半透明な姿で出てきた。基本、封印が解け自由な白棹は実体を持って歩き回れるが、私の式となるので一番近くにいようと今まで通り肉体は私の内に入れている。
つまり寄生型の式神だ。
翠「拓海、何か騒がしいけど何かあったん?」
拓「それが…」
「翠。」
ビクン
その声に呼ばれた瞬間、全身が凍りついた。
おそるおそる目を向けるとコツンと杖をつきながら近付く着物を着た老人がいた。