ドクン
宣言すると同時に翠の鼓動が跳ねた。
翠「…え?」
気付くと翠の霊力がどんどん上がっている。しかも本人が驚くほどのスピードで…
翠「な、何や?何で!?」
自分の身体を抱き締め膝をついてしまう翠に慌てる阿部先生と白棹。
白【翠!どうしたとゆうのだ!?】
翠「わ、わからへん!ち、力がどんどん膨らんで抑えきれない!!」
賢「まさか、暴走か…!?」
暴走。確かにこの感じ、ボンヤリだが憶えがある。だが何故急に?
翠「う、うぅあぁぁ!!」
余りにも急激な力の波に身体が付いていかず、翠の白い肌は裂けあちこちから血が滲んでいた。
白・賢「翠!」
緋【…この場合、龍脈の力に触発されたと見て間違いないだろう。】
緋月が龍脈に目を向ける。見るとまた集まり始めた妖の中に妖力が増し身体が風船のように大きく膨らみ弾けているのが何匹かいた。