キィィィィ

ゴゥッ

ガキィィン

一声鳴き、凄いスピードで突っ込むが緋月は漆黒の刀身で受け止める。そのまま足を踏ん張るがズルズルと後ろに下がっていった。

緋【完全演唱で式の本来の力が出され、更に強力になったか。だが…】

ハァッ!と気合いと共に刀を振り下ろすとパァンと式神が消えてしまった。

翠「なっ!?」

式神を消されたことに言葉を失う。倒せると思ってなどいなかった。だが…
傷の1つくらいでも与えられると、そう思っていたのに…!

緋【我には通じぬぞ。…のぅ、神木の巫女よ】

手を差し出し妖しく笑う緋月に少したじろぐ。

翠「な、何や。」

緋【我と来ぬか?人に嫌われ、妬まれ、憎まれ。疲れたのではないか?】

翠「…………」

何も答えない翠に阿部先生は慌てる。