翠「"闇は光を恐れ光は全てを照らせ!
我が契約の元に我の求めに応じ姿現せ!紅蓮の焔を纏いし鳥よ、闇より出でしモノを焼き払い清めたまえ"!」
刀で印を切りながら、それでも翠はスピードを落とさず走り続ける。
補足だが、札は素早く術を展開する為の補助の役割をする。なので、札を使わなくとも相当の実力者なら術を使えるが完全演唱をするため時間が掛かってしまうのだ。
キィィィィ
そして夜空を照らす程の紅い光が中庭に満ち鳥の鳴き声が聞こえた。
緋【ほう、美しい式神よ。】
天を見上げ感嘆の声を上げる緋月。
緋月の視線の先には焔を纏った美しき鳥が天高く舞い上がり、中庭を照らしていた。
低級な妖はその光に恐れ少しでも闇の中に逃げようと散っていき、果敢に向かってくる妖は式神の焔に呑み込まれていた。
翠「行け!」
翠が鋭く指示を出すと緋月に向かって飛んでいく式神。
それを無表情に見詰め刀を構えていた。