翠「くっ、コイツら邪魔やな。白棹、ここは任せる!」

そう言って翠は妖の群れに走っていった。

翠「ハアァァ!」

短刀を振り回し、翠は向かってくる妖を斬り捨てていく。

賢「翠!」

慌てて阿部先生も立ち上がり追い掛けようとしたが白棹に止められてしまった。

白【待たぬか小僧。あれなら心配いらぬ。翠はこれまで補助として今までの器より、お役目は多くやってきている。
逆に本来お役目を請け負った者達より、あれは強いぞ。】

そう言う白棹は絶対の自信を持っていた。

白【"闇に侵されたこの男を癒したまえ。清めたまえ。"】

白棹が阿部先生の左腕に触れるとポゥと暖かい光が溢れてきた。

白【…意外に侵食が速い。今浄化出来なければ危なかったやもしれぬ。】

真剣に言う白棹に少し息を呑む。だがすぐに彼の意識は自分の事より翠と緋月に向かっていた。