「はあ‥」
勢いで譲っちゃったけど‥
今頃後悔‥ だってずーっと欲しかった本だもん。

あの小説のシリーズは全部もっててお気に入りのシリーズだ。

まあ、また探せばいっか‥

「はあー‥」
僕がため息をつくと、

「ほーら、やっぱり欲しかったんだろ?」
「!?」
上からさっきの男の人の声が聞こえた。

「ほらよ。」
男の人は紙袋を手渡した。

「え、どうして‥」
「どうしてって、だって本。」
紙袋の中身はさっきの小説だった。

「その本、譲るよ。」
優しく笑う男の人。

でも、どこか納得できなくて。
「い、いいです。嬉しいですけど、あなたが買ったんだし‥どうぞ。」

なんて素直じゃないんだろう。
このくらい受け取れないのか僕は。

「ぶっ、ははははは」
「なっ!?」

まただ。また男の人は大爆笑。一体何がそんなにおかしいのか。またまた不機嫌になる。