「我が校は…」


長い。

ながーいながーいながい。

キラキラと輝く頭を持つ校長の長い挨拶。
これさえ聞けば戻れるのに長い。

ていうかそれにしてもさぁ…


入学式の最中、千里は周りを一度見渡す。


………女が、見当たらない。

そう。いないんだ。“女”が。

「と、いうことで…」

未だに続く校長の話を右から左に受け流して、もう一度周りを見渡す。


…いない!!
やっぱりいないよ、なんで、なんで!?

そもそもキャピキャピした女が大嫌いな千里だが、女がいない、というのは致命傷だ。

友達すらできない。
このさえどんな子でもいいから、
お願いだから…!

「いてほしい…」


小さく呟く声は皆の拍手にかき消された。



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