私に拒否権は
「無いわよ。」
…………ですよね〜!
お母さん、決めたことは絶対やるからなぁ。
………でも!!
今回は別でしょ??
『私、嫌だし。
相手の方も嫌でしょう?』
そうよ。
私が拒否らなくても相手は嫌でしょ。
「いや?一発OKだったが?」
NOーーーーーーー!!!!
なんでなんでなんで!?
ありえない!!!!
『マジ嫌なんだけど。』
「ゴメンね〜。
あんたの住むトコはもうここじゃないよぉ(笑)」
……笑い事じゃないし!(^-^;
「荷物、送っちゃった!」
なーにが送っちゃったよ!!
ふざけないでよぉ……(泣)
『もう、いいや……。
で、私はこれからどうすれば??』
「んーとね〜。…沢口〜!
あそこまで送ってってあげて。」
いやいやいやいや。沢口さん可哀相。
つか、あそこってどこだし!!
「かしこまりました。
では、行きましょう。莉奈様。」
ここは腹を決めて、
『……よし!!
分かったわ。すぐ行く。』
決まっちゃった事をとやかく言う必要は無いし。
…………では。新しい家?に出発〜!!
―――1時間後
『………?
ここ??』
見るからに新居じゃない?
「……では。莉奈様、頑張って下さい。」
『あ、はぁぁ……。
憂鬱だぁー…………(泣)』
ホント、もうヤダよ…。
泣きそう……。
でも、ここでウロチョロしてても邪魔だよね。
……入るか。
――カチャ
『ふぅーん。やっぱ新しいじゃん。』
つか、まだ相手に会ってないんですけど…。
「あ、来たんだ。」
誰!?
……ん?この人、見たことある…。
誰だっけ??
『は、はい。あの〜…。
失礼ですが、どちら様ですか?』
「……………。プッッ」
…えっ?この人、笑ったよね?
何故に〜?
『あの……。』
「あぁ。ゴメンゴメン(´Д`)
俺のこと知らない奴、初めてで。」
は?マジで?
『失礼ですが、お名前は?』
「相楽龍稀(サガラリュウキ)。藤堂学園、高3。」
『ま、マジでーーー!?』
え?
相楽先輩って、相楽財閥の跡取りだよね?
「マジだよ。ったく、叫ぶんじゃねーよ…。
耳が痛むじゃねーか。」
えーっと、相楽先輩がここにいるって事は……
『先輩、もしかして結婚相手って……。』
「あぁ。お前の相手は俺だが?」
あぁ………。嫌な予想、的中(ノ><)
『先輩。私、結婚したくないんですけど。
それに、先輩は知らないから平気なんだよ…』
そう、先輩は知らないから。
私の秘密を……。
「俺だって嫌だったが仕方ないだろ?
俺は御曹司、お前は令嬢。」
そりゃそうだけども……。
「それに、俺だって秘密くらいある。」
『先輩……。
聞こえてたんですね!!!!』
……でも、これだけはダメだ。
私は秘密を教えることは出来ない――……。