首を傾げて先生が聞く。



「うん。つめたくて気持ちぃ」



「ふっ…」



私の素直な感想に先生は笑った。



「あ、あの…ごめんなさい!」



私は握り締めていた手を離して、先生に謝った。


恥ずかしすぎて泣きそう…。



「ははっ…いや、いいんだ。でもそんなん言われたの初めて」



口に手をあてて笑いながら言う先生を見て、胸がぎゅーってなった。



「あー…笑いすぎで腹いてぇ…」



先生はしゃがみこんで言う。



「笑いすぎです…」



たぶん私の顔は今真っ赤だと思う。


顔が熱い…。



「悪い悪い。やべぇ、忘れるところだった。お前どうする?熱はないみたいだけど、帰るか?」



立ち上がって、先生が聞いてきた。



「えっ、でも…」



私が全部言い終わる前に、先生の大きな手が私の頭にポンと置かれる。



「補習だろ?いくらなんでも、具合の悪い生徒を無理矢理参加させるほど、俺は鬼じゃねぇよ」



そう言って先生は私の頭を撫でてくれた。


胸の痛みが大きくなる。


ちょっと意識しただけなのに、苦しい…。


私の息が次第に荒くなる。