皆は顔を見合わせている。



「え、違うの?」



返ってきた答えは、少し予想していたものだったから、あまり驚くこともなかった。


じゃあ何に驚いたかといえば、四人が同時に同じ言葉を口にしたということ。



「楓と渚には朝言ったじゃん!人として、普通よりちょい上くらいの好きだって!」



「それで十分じゃん。那智がそんな風に言ったの初めてだし」



私の言葉の後に、渚が言う。


確かに、今までそんな風に言ったことなかったけど、そう言う“好き”が、まだわかんないよ…。



「難しく考えなくて良いんだよ?」



瀧口ちゃんは私の肩にポンと手を置いて、優しく言った。



「那智は、好きって気持ちがわかんないって、前に言ってたけど、気付いてないだけだと思うよ?単純にさ、一緒にいたいとか、安心できるとか、好きって要はそういうことなんだよ。そう考えれば、簡単でしょ?」



簡単か…。



「…うん」



そう言われてみれば、簡単なのかもしれない。


それを意識してるときと、してないときでは、感じ方も違うだろうし。



「あ!あとね」



瀧口ちゃんが何かをつけ足すように言った。