「楓と渚って本当に仲良いよね。それより2人はどうなの?好きなタイプ!」
「そうそう。犬山さんたちは好きな人とかいるの?」
その質問に楓と渚はまた顔を見合わせて、クスクスと笑っていた。
「ナイショ!」
またハモる。
2人とは中学から一緒だけど、彼氏がいるとか聞いたことないなぁ…。
「でもさぁ、3人ともモテるのに彼氏作んないの?」
楓と渚がモテるのはわかるけど、その中に私も入っているなんてあり得ない…。
「おととい、鳴海さんが他校の男子に声掛けられてるの見ちゃったもん!」
「え…?」
おととい…?
そんなことあっ…
た!あった!
私が彼に話し掛けようと待ち伏せしてたのに、
あの男に声掛けられたせいで、彼が通り過ぎてっちゃったんだ…。
あの時の男…許すまじ。
折角、意を決したのに!
私の勇気を返して…。
「あーあ。また那智が凹んでる」
渚が言う。
「しょうがないなぁ。いちご・オレ奢ったげるから元気出しな?」
「本当?!」
楓の言葉にテンションが上がる。