校門には先生が何人か立っている。

その中には神影先生もいて、私は真っ先に神影先生に駆け寄った。



「先生!おはようございます」



「おはよう。そんなに走らなくてもいいだろ?授業はこれからだってのに、今から疲れてどうする」



先生は優しく微笑んだ。



「疲れてないですよ。それに、もう一度ちゃんとお礼が言いたくて…」



「お礼?ああ、昨日のことか。そう言えば随分元気になったな」



今度は少し呆れたように笑う。



「先生のおかげです。ありがとうございました」



「どういたしまして」


先生は私の頭に手を置いてポンポンてした。

それがなんだか気持ちいい。



「先生、今のもぅ一回して下さい」



「だーめ。HR始まる前に教室行け」



そう言いながら、私の髪をクシャクシャってして背中を押した。



「素直じゃないですね」って私が言うと「同じコトはしてない」って先生が言う。



そんな先生のへ理屈が今は嬉しい。


先生が人気な理由、わかった気がする。


若くてカッコいいとかそう言うんじゃない…。

して欲しいことをしてくれる。

でも我儘をきいてくれるのとは違う。