「あんなに、仲のいい家族がな...」

「そんな事ってあるんだね...」

「うん...」

私達は、これ以上会話が続かず

エレベーターの前まで

並んで歩いた。

会話がないのは、やっぱり寂しいよ...

話したいよ...

私は...

そっと陵の手を握った。

恥ずかしくて、下を向いたまま。

陵は、驚いているだろう。

でも、優しく握り返してくれた。

大きくなった陵の手...

幼稚園の頃は同じくらいの

大きさだったのにね。

こんなにも、変わっちゃうなんて...

ずるいよ...