「美雨?」

「無理して、笑わないで...

 泣いていいからさ...」

「うぅ...ひ...っく」

きっと、我慢していたのだろう。

秋穂は、私の腰に手を回して

泣き始めた。

「頑張ったね、頑張ったね...」

私は、そう言いながら

秋穂と一緒に泣いた。

陵も、同じく我慢していた涙を

静かに流し始めた。



泣いてもう何時間経っただろう。

時計の針は、4時を指していた。

「そろそろ、帰るね」

「何か...ありがとね」

「何言ってんの?

 当たり前でしょ!!」

「明日も来るから」

「うん!

 待ってる」

「じゃあね」

「バイバイ~」

「またな」

そう言って、病室を出た。