-6月-

「入院していた山口美雨さんが
 
 退院して今日から、復帰します。

 みなさん、また仲間が戻ってきたので

 今まで以上に仲良くしましょう」

「「はーーい!」」

「山口さん、一言お願いします」

「え...っと...。

 山口美雨です。休んでいた分、遅れていますが

 頑張るので、またよろしくお願いします」

パチパチパチー...

一応、病院でクラス全員の名前と顔は

覚えたけど、まだ曖昧な部分が多い。

絶対に間違えないのは、秋穂と陵。

記憶がない事を知らないままだけど、

すっごく仲良くしてる。

病院にいる時も、毎日2人で

お見舞いに来てくれた。

ほんとに優しい人達だなって思えた。


「じゃあ、山口さんは安念くんの隣の席に

 座ってください」

「はい...」

あたしは、陵の方を見てみた。

すると、ニコッと微笑んで小さく机の上で

ピースしていた。

あたしはさすがに、ピースでは返せないと思い

微笑み返した。

陵は、いきなり頬を赤く染めた。


あたしには、何が何だかわからなかったけど。