「あの...

 あなた方はどちらの人ですか?」

「美雨?何ふざけた事言ってるの?

お母さんよ、お母さん」

「お母さん?全く記憶にありません。

 ごめんなさい」

「.....」

今度は、あたしのお母さんと名乗る

女の人が黙り込んでしまった。

「先生...ですか?」

「はい。そうです。

 どうしたんですか?」

「あたしは、何でここにいるんですか?」

「え...?」

「あたしは、何でここにいるんですか?」

「それは...怪我をしたからです」

「怪我...?」

よく見るとあたしの手には、包帯が

ぐるぐると巻き付けられているし、

体のあちこちが痛くて仕方ない。

「美雨ちゃんのご両親の方...

 ついてきて下さい」

「はい...」

また、1人になってしまった。