みんな興奮している。

直人サン凄いなー。
なんて思いながら眺めていた。

小池先輩たちはこっちを見ると、笑顔で手
を振った。

廊下はキャーとなる。
「見た?!今小池先輩が手振ったよ!!
やばい、かっこよすぎて死にそう!」
私は小池先輩にでれでれだった。


それから毎朝、学校に着いては廊下に行っ
ては小池先輩を眺めて手を振る事が日課に
なっていた。


1学期も過ぎ、夏休みに入った。

「夏休みつまんないー。小池先輩に会えな
いじゃーん!」
私は夏休みをただただ、ボーっと過ごして
しまった。


2学期スタート。
廊下に溜まる女の子たちは、増えてきた。

「小池先輩は絶対駄目だから!」
絶対に小池先輩を振り向かせる!
私は必死だった。

2学期に入ると、小池先輩たちはベランダ
に出なくなった。
教室の窓からこっちを見るだけ。

手を振ってくれる事もなくなった。

私はその時期に、小池先輩は同じクラスに
彼女が居る事を耳にした。

なんでかな。
私は小池先輩の特別になれないのかな...

悩んで泣いて。

初めて恋愛の事で泣いた。
私はこの時、小池先輩を本気で好きなんだ
って。
そう気付いた。

もうちょっと早く気付いてたら、何か変わ
っていたのかな?