「可愛いかあ...」
その夜、私は考えていた。

今まで可愛いなんで言われた事ないなぁ。
しかも初めて話したのに、可愛いなんて言
われたら、お世辞って分かってても嬉しい
に決まってる。
小池先輩、全然恐い人じゃなかったし、今
日は楽しかったなぁ!


「明日も会えるかなーっ」


次の日、クラスでいつも一緒に居る、麻子
と梨奈と星に昨日の出来事を全部話した。

「恋が始まったねー!
まぁ、歳上もゆあらしく ていいんぢゃな
い?」
「梨奈の言う通りだよ!
これは運命だね
絶対!」

「梨奈も麻子も大げさだよ ねー。星はどう?」
「うん!運命!ゆあは小池先輩に恋したね。
てか、小池先輩がよくわ からないんだけ
ど(笑)」

「ゆあ!小池先輩!!」
突然、梨奈が廊下のずっと先を指した。
見ると、小池先輩が、この学校で一番モテ
ると噂の直人サンとこっちに来ている。
美術室に行くようすだった。
「あの、直人サンの隣の人?!
めっちゃイケメンじゃん!
やるねゆあ!」

昨日の事、何か言われるかも!
そう思いながら、だんだん近づく小池先輩
を見る。

目が合った!

小池先輩は、私たちを通り過ぎてそのまま
美術室に行った。

目をそらされた。
私、何かしたかな?
昨日帰りに叫んだからかな?