屋上に着いた私は貴方がいる場所までまっすぐ歩いた。
いつも見てたから貴方がいる場所なんて分かってる。



「あの…。」


「はい?」



声をかければ低くて優しい声を出しながら振り向く。
顔は物凄く綺麗で眩しい。



「あの、前に自販機で会ったの覚えてます?」


「…あぁ。あのドンクサイ子ね。なに?」



最初の印象とは違って急に冷たい態度をとりはじめた。
その理由も知っている。
貴方はその容姿だからいろんな女の人から言い寄られてるものね?
彼女がいるのにね?



「これ、貸してもらったハンカチです。ありがとうございました。一応洗いましたので。」


「あっそ。」


「じゃあ、これで。ほんとにハンカチありがとうございました。」


「……。」



ただお礼を言って頭を下げた。
貴方のこと愛してる。
でも、嫌われたくないから貴方が嫌がることはしない。
貴方の馬鹿な彼女と違って…。