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ピンポーン


「・・・・・・・・本当に来たんだな」


インターホン越しに聞こえる声。

美声だ。



「早く開けて」


「あぁ」




中から音がする。

階段をかけ降りている音。



ガチャ


「はぁ・・・・・・入れよ」


「んふふ。お邪魔します」


恭平の家は人がいない。
共働きらしい。

夜遅くとか朝方に帰ってくるみたいだし。



「なんで来んだよ」


「だって・・・ねぇ。じゃあ、どこならいいの?」



「・・・どこって言われても」


恭平、面白い。


困ってる。