想像もしてなかった現実が
一気にあたしの目の前に起きている。

大好きだった康太が、
今あたしの側に帰ってきた。


そしてあたしの立場は逆転した。

帰ってきたという噂を聞いた、
今まで貶してきた皆が
褒め称えるように寄ってきた。

出所できたとしても
あたしの元に帰ってくると、
まさか想像しなかったのだろう。

喧嘩で有名な康太だから
あたしを貶してると知ったら
何かされると思ったのだろう。

だから元通りにしようとした。

通りすがる愚痴もなくなり、
あたしに対するイタズラもなくなり、
何もかも普段の生活に戻った。

"帰ってきたんでしょ?"
"スゴいね!一途じゃん。"
"本当に尊敬する。"
全てが偽りの言葉に聞こえた。
そう、
今まで貶し続けていた皆が
あたしの機嫌を取るように…