「アタシにー…触んじゃー…。」


「その汚ねェ手をどけろ。」


はい?

顔を上げると、黒髪のだて眼鏡を掛けた人がいてー…

その人の手は、がっしりと痴漢ヤローを掴んでいる。


「く、糞ガキが!!!」


「なんとでも。」



プシュー


駅に着き、電車の扉が開く。

一斉に人が扉から流れるように降りる。


「すみませーん、警備員さん。痴漢してた人がいるんですけどー。」


だて眼鏡が言う。

あ、間違えた。
だて眼鏡を掛けた人が言う。


「俺はやってない!!!証拠はあるのか!?」


痴漢ヤロー、しらをきるつもりかよ!!!!