『今日はちょっと遅すぎんじゃねぇのか?』

「あんたはいつからココの人間になったのよ。」

『鍵開けたままのてめーが悪いんだって』

普通、鍵開いてても入んねーだろ(笑)
そんなことを思いつつ、あたしは弁当を出す。

「はい、サムの分。」
あたしは海苔弁当を差し出した。

『なんだよ。俺様が来るってことわかってたんじゃねーか』

そんなことをいいながら
サムは海苔を歯に詰めて笑う。
だからあたしも必死になって
唐揚げ弁当を頬張りながら言い訳を考える。
買い置きってことで2個買っといただけ…
なーんて嘘は通用しない。
考えているうちに、だんだん
恥ずかしくなってきちゃったから

「いらないならいいんだけど?」
って嫌味ったらしく言ってしまった。

するとサムは首を横に振り、
『ありがと』
とそれだけ言い捨てた。

なにげのない『ありがと』は
優しいサムの口癖だった。