原 、原、原 ……… 誰だ?
「原って誰?」
『えっ あんた俊太くんのこと知らないの?』
「誰だよ、俊太くんって…」
『あ、あれ…』
そう言って千秋が指差した先には
いかにも根暗そうな地味男がいた。
『未來、あんま見ちゃダメだよ』
「ま、言ってくるわ。」
あたしは千秋の言葉を無視して
その俊太くんとやらに近づく。
「ねぇ、あんたが俊太くんだよね?」
あたしはニッコリ笑った。
『そ、そうだけど…』
それだけ言って下を向く。
モジモジされると腹立つんだよね。
ふーん。やっぱり根暗。
『なに…か、よう…かな?……』
「あんたさ、サムの変な話流してんの?」
『え…ぼ、僕はただ…』
「ただ、なんなんだよ」
すると、原俊太は
さっきまでの態度とは凶変して、
いなかなりあたしの腕を掴んで
壁に押し倒してきた。
『益田…未來ちゃんだよね?』
「な、なによいきなり…」
『俺に関わんない方がいいよ。』
「は、放してっ」
『サム君の何が知りたいの?』
「はぁ?」