マリアは教会から徳二郎に視線を移すと、徳二郎が手のひらに持っていた箱を開けた。中には、目の前の海と同じ、太陽の光を浴び、美しく輝く青色の指輪が納まっていた。
「徳二郎、これ」
 マリアの問いかけに、徳二郎ははにかんだような表情で「マリア、僕と結婚してくれますか?」と言った。
「徳……」
 マリアは言葉に詰まり、涙が溢れていた。口に手を当て、こらえようとしたが、後から後から涙が続く。