「徳…二郎。ここ」
 二、三歩進むと、美しい青色の海は目下に広がっていた。百メートル程先は崖になっており、ここは少し高台の場所にあるようだ。太陽がちょうど目の高さにある。海面をキラキラと照らして眩しく輝いていた。
「マリア」
 徳二郎に呼ばれて振り向いた瞬間、大きな鐘の音が三回鳴り響いた。彼の後ろに白い洋風の建物が建っている。鐘が鳴っている上部には白い十字架が聳えていた。