あたしは顔を上げる。


そこには、あたしをうっとうしそうに睨みつける人の姿がいた。


・・・誰?


「―――何?すっげぇ邪魔」


は?


・・・っていう顔をしていたのかもしれない。


キレイな奥二重の目で恐ろしく整った顔をしたヤツは、時々眉間にシワを寄せながらあたしをじろじろ眺めている。


「邪魔って・・・人にぶつかって謝りもしな「あんたバカ?」


あたしの言葉をさえぎって、ヤツは最上級の人を見下す顔をした。