わわっ!!
蓮君の瞳をまじまじと見ちゃった…!
焦った私は、素早く俯いた。
ヤバイ。
睨んでる…と思われたかも。
怒りの言葉が投げつけられやしないかと身構えていたけれど…
「柚…。」
蓮君からは、私の名前を照れくさそうに呼ぶ声が飛んできた。
「な、何…?」
少し拍子抜けしながら、ゆっくり顔を上げると、蓮君は紙袋からマフィンを取り出した。
「あ、あのさ…お前も一緒に食べねぇか?」
「えっ?」
「いや、その……二人で食うと、もっとマフィンも旨くなるだろうし。」
ほら、とマフィンを差し出されたので、私はぎこちなく受け取った。
要は、私にも食べて欲しい…ってことか。
私が作ったマフィンを一人で食べるのは気が引けてきたのかな…?
蓮君の意図はよく分からないながらも、私はマフィンをパクッと口に入れた。