「ちょっと待って!甘いもの平気?大丈夫なの?」
「ああ、平気。あまりにも甘ったるいものは苦手だけど。」
甘さ控えめに作ったけど、感じ方は人それぞれだからなぁ…。
蓮君にとっては、甘過ぎるかもしれない。
どんな反応がかえってくるのか不安に感じながら、マフィンを口へと運ぶ蓮君を凝視した。
「……うまい。」
「えっ…」
「このマフィン、すげぇうまい。」
目を丸くしている蓮君の姿を見ながら、私も驚いてしまった。
「ほ、ほんと?」
「ああ。こんなにうまい菓子を食ったの初めてだ。」
あっという間に一つ食べ終えた蓮君は柔らかい笑みを零す。
その表情を見た瞬間、私の心臓がドキンッと大きな音をたてて跳ね上がった。