「おい後ろのー、静かにしなさい」

「「は、はいっ」」

お、怒られちゃった。
しかも蘭ちゃんと同じタイミングで同じ事言った。

ちょっと嬉しかった。

「(怒られちゃったね)」

蘭ちゃんは小声で私に言った。

わっ。
蘭ちゃん、片方の目をパチっとした!

「(い、今のどうやってやるのっ?)」

「(え?)」

私は頑張って真似をしてみた。
けど。

「(・・・?)」



なかなか難しい・・・



「(もしかして、ウインクの事?)」

「(え、ういんくって言うの?)」

「(うん、片目だけをつぶるんでしょ?)」

う、うん。
私はそのウインクというのにドキドキしながらも、先生をチラチラ見ていた。

「(ど、どうやってやるの?)」

「(私もあんまり上手くないけど、軽く片目をパチって)」

「(軽く、パチっと?)」

「(うん)」

私はちょっと試してみた。



・・・パチ

パチ

パチパチッ



「(うん、あっ、それ両目だよ燕ちゃん)」

え、うそ。
片目のつもりだったんだけどなぁ。

「(結構、難しいね・・・)」

「(さっきからずっと両目だよ?)」

「(え)」

パチ
パチ



も〜・・・



パチパチパチパチパチ

「(っぷ)」

今度は笑われちゃった。

あ、というか。

「(分かった、最初っから目つぶっておいてから・・・)」



片目を上げる!



「ぷはははっ!!」

「え?え?」

「それじゃあウインクの意味ないじゃんっ!あははっ!!」

えー!?
だって片目開いてんじゃん!!