『あ、おはよー!』とあと数センチでおでことおでこがゴッツンしそうな距離で言ってきた爽やかな青年。

私は一応その子に挨拶した。

「お、おはようございます・・・?」

「っつっても、もう夜だよ?」

「じゃあおやすみなさ・・・え、夜っ!?!?」

ま、また寝るところだった!
あ、本当だ!真っ暗ですよ!!

綺麗なお月様が見えるほど真っ暗ですよッ!!

「というか、ここどこですかっ!?」

「え?学校」

「が、学校!?の、どこ!?」

「知りたがり屋だね〜、生徒会室♪」

「な、何時!?え!?もう九時っ!?」

「九時かー。九時っつったら俺、家で宿題やってる時間だなー」

「宿題・・・宿題!?そういえばテスト!!あ、あの私もう帰らなきゃ!!なんかすいませんでした!!」

どうしよう、私の一番嫌いな英語のテストが出るんだった!
私はボサボサの髪を軽く直して帰ろうとした。





「―――――ていうか泊まっていけば?」





青年、急に暴走っ!?

「はいっ!?が、学校に泊まるなんて―――」

「そしたら明日、遅刻しないで済むだろうし、テスト勉強に勤しめるし。一石二鳥じゃない?」

なんなんだろうこの青年は。
い、言ってる事は結構当たってる。

ちょっと帰るか泊まるかで迷った。

「・・・でも・・・」

また、さっきみたいに寝てる間に敵襲にあったり・・・って敵!そうだ敵は!?

「て、敵は!?」

「敵?あぁ、俺がかわりに倒してあげておいたよ?」

「そ、そうですか・・・って何者っ!?」

「今更だねー、俺も一応だけど忍だよ?」



  〜飛我燕の脳内〜  

『忍(自分以外)=敵』



「か、帰る!帰りますッ!!」

私はドアに手をかけた。

「ちょーっと待った!」





ガタッ





私の手に青年の手が重なる。
さっきよりも距離がグンと近くなった。

「こんな夜に女の子一人だけでうろちょろしてたら、またさっきみたいに襲われるよ?」

耳に掛かる青年の息。