私はとにかく色んな所を見回した。
き、キミちゃんどこ?

「こっちだってば!」



ポンッ



「ぅわあっ!?」

いきなりさっきの声が私の耳元で聞こえて、私は驚いた。
しかも肩に手を置かれるし!

「き、キミちゃん・・・っ!!」

「驚きすぎだってもー♪それにしても混んでるね〜」

「だねー、私さっき迷子になっちゃうかと思ったよ」

あ、あれ。
さっきまで驚きすぎてよく見てなかったけど・・・



今日のキミちゃん、可愛い・・・



「あははっ、あ、そろそろカフェ行かないとっ!」

キミちゃんの携帯の画面には八時半と出ていた。
集合時間は九時。

「あと三十分しかないじゃん!!」

「い、急ごうキミちゃん!」

「うんっ!」

キミちゃんと走った道。
街に響いたのはヒールの音だった。


 * * * 


 〜走ること約十分〜 


「キミちゃん・・・」

「なにー?」

「つかぬ事を聞きますが・・・」

「んー?」





「・・・本当にここですかっ!?」





暗い、なんでこんなに暗い道やら道路やら通って行かなければいけない?!
絶対あやしいっ!!

カフェの周りとか、ほら、ヤクザっぽい人たちがいるし・・・っ。

「ここだよー、私何度か来た事あるしー♪」

「(来た事あるんですかっ!?)」

なんだか複雑な心境・・・
そんな私の事は無視してキミちゃんはさっさとお店の中へと入って行った。

「(一体私はどうなってしまうんだろう・・・)」



ドキドキしながら店内を見回すと―――――。



「・・・」

結構・・・内装は綺麗なんだなぁ。
流れる音楽は緊張する私を和ませてくれた。

そんなには怪しくないのかも?

「(いや、でも油断大敵だっ!!)」