「ツッチー、モテるの意味知らないの?」

「だから言ったでしょ梢ッ」

すると林田さんは真剣な面持ちで私の肩に腕をのせ、語り始めた。

「いいかいツッチー・・・モテはね?この世界中〜の女の子の夢なのだよ」

「ゆ、夢・・・?」

「そうッ!永遠の夢とも言うッ!!」

「またそんな大げさに・・・」

「ほどほどにしてよね梢ッ!!」





え、永遠・・・っ!高貴な響き・・・っ!!(流されやすい)





「女の子は好きな男のため、いや、世界中の男達のためにオシャレをする!そう、例えば私!!学校の制服もこんなに可愛く着こなしちゃうっ!!」

「ぉ、おぉっ・・・!!(キラキラ)」

「ナルシストなだけだ」

「好きな男のために髪をバッサリ切ったり染めちゃったり。まぁ、それこそ私なんだど!」

「ほう・・・と言う事は、林田、アンタ好きな人がいるってこと・・・?(にやり)」

「明日はこの髪型!明後日はこの髪型!すると、ほら、毎日が楽しく見えてくるでしょっ!?」

「そ、そういえばっ!!確かにそうですねっ!!///」

「(私のことは無視かいっ・・・!!)」

「そしてとうとう努力をしたかいあってか、女の子は好きな人から告白されるじゃないかっ!!」

「く、クライマックスですねっ!!///」

「・・・いや、まだストーリーは終わってはいないのだよツッチー」

「えっ?」

フフフと笑い始める林田さん。

この話を話しているのが相当、可笑しいのだろうか。
私には林田さんが凄く楽しそうに見えた。



「すると男はこう言う、『前から気になってたんだけど・・・もしよかった付き合ってくれない?』ジェントルマンではないですかぁっ!!」



「紳士ですねっ!!」

「「(燕ちゃんがノリはじめてきた・・・)」」

「確かにジェントルマンは好感度が高い、だがしかーっし!!そんな引き腰では簡単に彼女は出来ないッ!」

「と、言うと・・・?」

ゴクリと生唾を飲む音が響いた。





「『梢は俺のモノだっ!!』・・・そう、ライバル出現だぁあっ!!」





「「って、キャラお前かよっ!!」」