視界いっぱいに映るのは、興味津々の子や他の事に意識がいっちゃってる子。
兎にも角にも、私はどっちにしろこの中で友達を作るんだ。

気を引き締めていかないと!

「では、自己紹介よろしく」

き、きた。

「ひ、飛我燕です。十七歳です。今日から空透学園に通う事になりました、趣味は・・・」

・・・どうしよう!
私、唯一の趣味って武器集めだった!!

こんな事転校初日から言ったらきっと毎日変な噂を流されて、なんか分かんないけどそれを聞きつけた敵がやって来て私、片っ端から襲われちゃう!?

な、なんか女の子っぽい趣味は・・・



∑(;゚ロ゚)はっ!!





「・・・し、趣味はぬいぐるみ集めですっ・・・!」





『・・・』

ぃ、いいぞ私!
とりあえず上手く場を乗り切ったぞっ!

「そ、そうか。じゃあ飛我、お前の席は関根の隣だ」

「は、はい」

先生が指したのは、関根君という茶髪の短い髪の子。
私は自分の席に向かった。

「飛我です、よろし―――――」

この人、『俺に話しかけたらこの銃ぶっ放すゼ』的なオーラが漂っている。
上手く話せる自信がありません先生・・・

「では、教科書の46ページを開けー」

「・・・(静)」



な、なるべく敵(関根君)の勘に触らない様にしとこう・・・



 * * * 


転校初日、初めてのランチ。

私は屋上で一人気楽に食べようと考えていた。
すると階段にのぼる途中。



「つ、燕ちゃん・・・だっけ!一緒に食べない?」



なんと誘われました!!
嬉しさのあまり、私その場で倒れるかと思った!!

初めて机を二つ合わせて女の子三人でランチ!

ら、ランチってこんなにドキドキするものだったっけ?

「燕ちゃんってカッコイイ名前だよねー!」

「漢字どんな風に書くの?」

「(漢字・・・)」

私はおもむろにカバンから昨日買っておいたノートとシャープペンシルを取り出した。



サラサラサラ



「と、飛ぶ・・・我?」

「む、ムズッ!読めない!!」