「…うっ…うっ…父さんは…母さん以外の人は…考え…られん…うう〜…」



おいおい嘘だろ…



まさかの男泣き…



「…これからも…好きなのは…ズズズッ…母さんだけだ…」



ああ…



そこまで愛せるってすごいね



俺もいつかそんな風に一人だけを一途に思う日が来るのかな…?





「んじゃ…なんで姉弟なんだよ…」



ガバッ───…‥‥



「うおっ!?」



泣いていたはずの親父はいきなり起き上がって、真顔で俺の肩を掴んできた



そして一言



「お前には姉がいる」




はい?



「よかったな浬世也!」



親父の…いや酔っぱらいの満面の笑み




よかねーよ!?



意味わかんねーよ!?




一途って…



「うーん…ムニャムニャ…」



ピシッ──……‥‥




「寝るんじゃねぇぇぇ─────────!!!」





そうして折原家の夜はふけていった