だからといって優ちゃんと付き合っているわけではなかった
俺も男だし、優ちゃんみたいな綺麗な子に誘われたらそれなりに反応してしまう
しかも今みたいな俺の状態じゃ優ちゃんを断るなんて出来なくて
でも終わった後はいつも気まずくなる
「優ちゃん…やっぱ、こんなの…」
「浬ぃくんが気にすることないんだよ!誘ったのは私なんだからさ!」
そう言って裸のまま俺の腕にしがみつく優ちゃんは
相変わらずサバサバした口調で俺の台詞を毎回途中で切り捨ててしまうけれど
いいわけがない
そもそも優ちゃんとこんな関係になったのは
工藤と菜々子の気持ちが完全に通じたあの日
俺は菜々子に自分の気持ちを打ち明けて、一度は受け入れてもらったけれど
菜々子の気持ちが自分にないことなんて
わかってた
だから工藤に直接話をつけにいったり
その後も色々あったけど
あの日、等々最終戦告を受けたんだ
『ゴメンね…浬世也の恋人にはなれない』