菜々子の応援団長なんて言いながら、それを隠れ蓑にして
それと反対のことばっか願ってた俺に
神様はやっぱり味方してなんてくれなかった
菜々子と工藤
確実に近づく二人の距離
それを感じるだけでヤキモキしてやっぱり途中で他の女の子に逃げる俺
でもそんなことで拭うことなんて出来ない
それは中3の時に嫌ってほどわかってたはずだ
俺は何だってこんなにバカみたいに一途なんだよ
こんなことで親父の子だったって再確認してもウレシカねーよ
苦しい
苦しい
誰か助けて
誰でもいい
誰か…
「浬ぃくん…」
そんな苦しみのどん底にいる俺に声をかけてくれたのは他でもない優ちゃんだった
「あ、優ちゃん食お?」
「大丈夫なの?」
「え…?」
その優ちゃんの鋭い突っ込みに俺は心臓が飛び出るほど動揺した
「…何が?…って…もしやバレてる?」
「うん……」
「優ちゃん結構するどいな」
「菜々が鈍いんだよ」
「ハハッ!確かに」
俺は演技が結構下手くそみたいだ