菜々子は相変わらず窓の外を眺めながらボーッとしてたけど、俺はその視線が一点で止まっていることに気づいた


そしてその瞳は眩しそうに細められた後


悲しそうに揺れて滲んで


それってまるで…

これってまるで…




俺の胸の辺りがギューギューと痛い


今更教室に戻ることも許されないみたいだ





「私、好きな人出来た~…」





窓の外にはある男の姿があった