俺をリビングに通してカレーを出してくれた後


菜々子かーちゃんは、菜々子に引きづられるように別の部屋に行ってしまった


きっと今から俺が父さんにしたように、事情を聞かれるんだろう



俺はその間に遠慮なくカレーを頂くことにした


久しぶりに食べた家庭の味


菜々子、料理上手いじゃん


ざっと見たところ菜々子かーちゃんは、再婚はしていないらしい
じゃあ父さんと寄り戻すとかないのかな?


………まあ、ないか…
あの父さんの雰囲気じゃあり得ないな



そんなことを思いながらカレーを完食したところに菜々子達は戻って来た


「おかえり」


俺がニッコリ微笑むと、菜々子も曖昧に微笑んだ


う~ん、やっぱ妹


俺、妹欲しかったから丁度良いかも


菜々子かーちゃんは、俺と菜々子のやり取りを不安げに見つめている


そりゃそーだよ、何たって思春期真っ只中


それでこんなこと言われてすぐに飲み込めるやつなんて…


「私、弟欲しかったんだよね!」



………。


ここにいたよ…