後ろを振り向くと、菜々子とよく似た顔の女の人が立っていた
「お母さん!!」
あ…
これが菜々子かーちゃん
菜々子も母親似なんだね
菜々子かーちゃんは何だか楽しそうに俺を見ながら菜々子に話しかける
「菜々子…この子誰なの?菜々子の彼氏?」
「違うに決まってるでしょ!!」
「え…?じゃあ誰なのよ」
「それはあたしが聞きたいよ!いきなり『姉ちゃん』とか言うし」
その言葉を聞いた瞬間、菜々子かーちゃんの俺を見る目が変わった
げ!
怖い!!
やばい!簡単に考えすぎてた俺!!
やっぱ歓迎されるワケがないんだ!
俺は憎き女の子供、菜々子かーちゃんにとっては宿敵
「あなた…浬世也くん?」
「あ母さん知ってるの!?」
「菜々子はちょっと黙ってて…
浬世也くんなんでしょ?」
俺は菜々子かーちゃんの言葉にどう答えようか迷ったけれど
自分で蒔いた種だ
殴られる覚悟で恐る恐る首を縦に振った